
小学館の『コロコロコミック研究所』は、白河市立図書館と共同で、新たな読書推進企画「コミックパスポート2026-2027」を実施。夏休み直前の7月中旬より、福島県白河市内の全小中学校にて約4,000部を無償配布する。
スマートフォンの普及に伴う娯楽の多様化などを背景に、子どもの「読書離れ」や「マンガ離れ」が顕在化しているなか、四者(出版社・自治体・教育委員会・公立図書館)が連携し、子どもの読書体験と創造性育成を目的として取り組む。
企画立ち上げの背景と地域課題
白河市立図書館は2011年の開館以来、マンガを積極的に蔵書化してきた。総蔵書のおよそ1割に相当する約3万冊のコミックや人気マンガ雑誌の最新号を取り揃え、マンガの所蔵・貸出に注力する図書館として知られている。しかし近年、白河市立図書館における子どもの来館者数が伸び悩む事態に直面していた。
実際に、市内の小中学生が1年間に1回以上同館の本を借りた人数は全体の23.4%にとどまっており、学校図書館の利用が活発になる一方で、公立図書館(市立図書館)の利用が伸び悩んでいることが地域課題となっていた。こうした中、同館の担当者から「図書館の強みであるマンガを活かして、子どもたちの来館数を増やしたい」と相談を受けた『コロコロコミック』が協力することとなった。

『コロコロコミック』では2024年7月に『コロコロコミック研究所』を立ち上げ、地方創生やエデュテイメント分野におけるコラボレーション企画を展開してきた。この知見とノウハウを活かし、白河市立図書館、白河市、市の教育委員会と協力して今回のプロジェクトを始動した。
「コミックパスポート」の特徴と収録作品
配布される「コミックパスポート」は、マンガの試し読みと市内4図書館を巡るスタンプラリーが楽しめる全128ページの冊子である。

装丁は本物のパスポートを模したデザインを採用しており、小学生だけでなく中学生でも手に取りやすい落ち着いたトーンの色合いとデザインが特徴である。見開き1ページ目には「君たちはこれから本の旅に旅立つ」というメッセージとともに自分の名前を書き込めるプロフィール欄が設置されている。
収録作品は『なんと!でんぢゃらすじーさん』『ケシカスくん』『ミルモでポン!にゅ~』『エレモン』『葬送のフリーレン』の5作品で、『コロコロコミック』『ちゃお』『コロコロイチバン!』『週刊少年サンデー』の主要マンガ誌からラインアップされている。各作品の後には感想記入欄と学年別おすすめブックリストを併載し、マンガから書籍への興味拡大を狙う構成となっている。

さらに裏表紙はスタンプラリーの台紙になっており、白河市内4つの図書館(白河市立図書館、表郷図書館、大信図書館、東図書館)をチェックポイントとしている。スタンプラリーのクイズ達成者には、『日本の歴史』『世界の歴史』などの書籍をプレゼントする予定である。
関係者のコメントと今後の展望

白河市立図書館の中沢孝之館長は、「マンガを入り口にした今回のプロジェクトで、子どもだけでなく、幅広い世代に図書館に来てもらえたら、今までとは違った世界の広がりを感じられるはずです(一部抜粋)」とコメントした。

また、白河市の鈴木和夫市長は、学校図書館で経験した本との触れ合いを生涯にわたる読書習慣として根づかせるため、公立図書館を気軽に利用してもらえるようにすることが重要であるとし、「『コミックパスポート』を皮切りに、コロコロコミックと連携した年間プロジェクトを通じて、図書館で過ごす時間が充実したものとなるよう、多様な読書の形を提供してまいります(一部抜粋)」とコメントを寄せた。

さらに、『コロコロコミック研究所』の小林浩一所長は、「図書館という学びの場とマンガの楽しさを結びつけることで、子どもたちが自然に本と出会い、読書の世界を広げる新しい挑戦です(一部抜粋)」と述べている。

白河市立図書館(愛称「りぶらん」)は、JR白河駅から徒歩5分の場所に位置し、総蔵書約32万7千冊を誇る。館内にはティーンズコーナーが設けられ、約3万冊のコミックを所蔵するほか、移動図書館「ゆるりぶ」による巡回も行っている。
「君たちはこれから本の旅に旅立つ」という言葉の通り、自分だけのパスポートを手に図書館へ。この夏は、たくさんの本が待つ白河市立図書館へと足を運び、新しい読書の世界の広がりを味わってみてはいかがだろうか。
■白河市立図書館
住所:福島県白河市道場小路96-5
公式HP:https://library.city.shirakawa.fukushima.jp
コロコロコミック研究所公式HP:https://www.corocorolab.com
コロコロ創生ラボ公式HP:https://www.corocorososei.com
(Kanako Aida)